顔がこの世に向いてない。
ギャグ漫画に見せかけた恋愛漫画のような哲学書
ジャンプ+で連載している縦読み漫画。
面白いのだけど、読者が自分が思っている以上に少ない気がした。
絵が苦手な人はいるかもしれない。
自分の顔に異常なコンプレックスがある主人公に、ある日学年随一のイケメン北見くんが自分のことが好きだと告白してくる。
ネガティブ主人公は即座に罰ゲームで告白してきたのだろうとありとあらゆる可能性で彼の告白を否定する。
しかし、2週間経っても北見くんは毎日迎えにくるし映画のチケット代は全部出してくれるし、どうも様子がおかしい。
こんなに醜い自分のことを顔だけじゃなく全部好きだといってくる。これはおかしい。
唐突に吐露される哲学
この漫画、ギャグ漫画かと思って油断していると登場人物たちが思った以上に真っ当なことを言い出すので思わず深く頷いてしまう。
上の北見くんのくだりは3話目だが、その中で親友のルーシーのこんな台詞がある。
「私は単にアニメとか漫画が好きなだけだ
それを三次元に興味がないとか現実から逃げてるみたいに言われるのは不快だ
(中略)
私は三次元に興味がないんじゃなくて、単に二次元が忙しすぎるだけなんだ」
人の時間は有限で、その限りのある時間の中で何にどれだけ時間を費やすかはその人次第で、その割合が単に二次元に大きく割かれているだけのことと一蹴するルーシー。瞬時にそれが出てくるの、カッコよくないですか?
まれに、「xxしないのは人生損してる」みたいなことを言われることがあるけれど、言われた方はすごくモヤモヤする。まるで、こちらが対象を避けているかのような言い方だが、その分自分は自分の興味ある事柄に手一杯なんだよな。
それ以外にも、愛なのか下心なのか、自分の性と葛藤する男子の話であったり、主人公の顔がもし美少女と入れ替わったらというifストーリーなどもすごく考えさせられました。
- 作者:まの瀬
- 発売日: 2020/03/04
- メディア: コミック
現在2巻まで出てますが、ジャンプ+のアプリからなら初回は全話無料で読めます。
GW中にサクッと読んでみてください。