機動戦士ガンダムF91 目標だけ共有しても目標は達成できない
50万人突破おめでとうございます
ガンダムチャンネルのチャンネル登録者50万人突破を記念して、「機動戦士ガンダムF91」が24時間限定で無料配信されていました。
森口博子さんの名曲「 ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~」もすごくいい曲ですよね。最後エンディングで流れ出す時は鳥肌が立ちました。
1991年に公開されたF91という作品には、劇場版とその後ディレクターズカットが入り編集された完全版とがありますが、今回公開されていたのは後者の完全版でした。91年の作品と思ってみなくても、ものすごく精密に描写されたモビルスーツたちがよく動く様には感動しますね。。。
今回改めてF91を見て思ったこと、考えたことを忘れないうちに書き留めておこうかと思います。
この先、ネタバレ含みますので、ご注意ください。
冒頭シーン
冒頭の黒い画面にオレンジ色の光が四角を描き、モビルスーツが雪崩れ込んでくるシーン。かっこいいですね。黒い画面が現実と物語の境目のようで、切り取られた瞬間、物語の中に埋没する感覚を得ました。
モビルスーツが雪崩れ込むシーンといえば、ガンダムUCのクシャトリア登場シーンもなかなかかっこいいですよね。UCももう一度みたいな。。。と思いました。
人類の10分の9を抹殺しろと命令されれば、こうもなろう
ヒロインであるセシリーの父であり鉄仮面の男、カロッゾのとても印象的なセリフです。
ガンダムはシリーズを通して、増えすぎた人口の問題をずっと抱えています。
その「増えすぎた人口を適正な数にする」という目標を達成するために作られた「バグ」という機械。あれは、人為的な自然災害だなと思いました。無作為に人を殺す様が、災害そのものだと思いました。そもそも、天候を人間が調整できるコロニーではもはや起こり得る災害は全て人為的なものしかないのかもしれません。
ところで、この「バグ」、「増えすぎた人口を適正な数にする」という目的を達成するために、カロッゾが考えた手段です。
しかし、この手段があまりに残酷でした。目標設定は人口を減らすことなので目的は達成できますが、手段が間違っていたため、娘と戦ってこんな結果になってしまいました。
目的は共有しているのに、なぜ手段で間違ってしまったのか。
- ビジョンの共有の甘さ
- 短期目標なのか長期目標なのか達成スパンの認識共有ができてなかった
ビジョン共有の甘さ
カロッゾは、目標は共有されていてもビジョンについてはあまり共有されていなかったのではと思っています。そのため、「増えすぎた人口を適正な数にする」を「人類の10分の9を抹殺する」と解釈してしまいました。 ザビーネの言葉に「感情を処理できん人類はゴミだと教えたはずだがな」とありますが、だいぶ言い方はあれですが、これがビジョンの極論なのだと思っています。感情や欲望を抑えることで、人類が適正な人口数まで抑えられていくこと、それがロナ家が目指すビジョンなのだと受け止めています。
短期目標なのか長期目標なのか達成スパンの認識共有ができてなかった
婿入りしたカロッゾには早く認めてもらいたいという欲があったと思います。
その欲を短期で目標を達成することで満たそうとしてしまった結果、手段を誤りました。しかし、そもそも目的だけで、いつまでにどのくらいというのが不明です。
1年後の目標なのか、10年後の目標なのか、それによって取る手段は異なってくると思います。
現実世界でも、大きな目標をチームで達成するためには、ビジョンを浸透させ、いつまでにどうなりたいかを共有し、それによって今とる手段をみんなで共有することが大事ですね。
これができれば、鉄仮面はきっと生まれないはずです。