【映画】プロメア 情報量と形の抽象化 極限まで洗練された色と形へのこだわり

プロメアを見たよ

昨年公開された映画、プロメアを見ました。

公式サイト↓ promare-movie.com

人気TVシリーズ天元突破グレンラガン」(2007)、「キルラキル」(2013)の
監督:今石洋之と脚本:中島かずきによる初の完全オリジナル劇場アニメーション『プロメア』が
豪華キャスト陣を迎え、5.24 全国ロードショー!

公開から1年経ってもまだ上映している映画館があるようで、ロングランですね。

プロメア

プロメア

  • 発売日: 2020/05/24
  • メディア: Prime Video

↑↑私は、amazon videoでレンタルしてみました。

まだ見てない方は、一応ネタバレを含みますので、ご注意を!

感想

物体の抽象化と心地よさ

冒頭、のっぺりとしたビルの立ち並ぶ通りを上空から通り抜ける映像から入りますが、少し描画足りないのでは?と心配した直後、溢れ出す情報量の多さに圧倒されました。とにかく情報量が多い。火災の現場というのもあって、むさ苦しい筋肉と最新技術を操る少女と、ロボと炎と光の氾濫。異様なアングルとカメラワークにアドレナリンが湧いてきて、TRIGGERだ!とワクワクしました。

ただ、情報量が多い割に、見ている側はなんだか心地よさがあるんですよね。これ、形を極限まで抽象化しているのが心地よさの要因かなと思いました。

人の脳は、目に入ったものを四角や丸という単純な図形に分類できると心地よいと感じるそうです。プロメアを見ていると、火や埃、光でさえも四角や三角で表現していて、少しやりすぎなくらいに抽象化しています。

それでも、それが炎と認識できる表現力は素直にすごいなぁと思いました。

誰も死なない。あるのは和解だけ。

グレンラガンという言わずと知れた名作がありますが、あの物語にはカミナから始まる死別があります。

涙腺が脆い事で名高い私ですが、このプロメアという物語は感動させるというよりは、お祭りみたいに元気を与える作品だなという印象を受けました。

グレンラガンのカミナが死んで生まれ変わって火消しになってる。。。そんな印象でした。マッドバーニッシュの死を説明するため、女性が1人犠牲になっていますが、重要人物が死ぬ事なく、全て和解で終わっています。

そう、異種族間の和解が一つテーマになっていると思うのですが、プロメアでは形とともに色にもこだわりを持って話が構成されているなと思いました。

全編を通して赤と青が印象的に使われており、重要な場面でその2色が溶け合っていったり、マッドバーニッシュの操る炎と、通常の炎は表現が異なったり。

似ているけど、異なるものは相互理解が必要です。相互理解が実現すれば、混ざり合ってお互いを尊重しながら新しい色を創ることが出来るようになります。

それと、プロメアのキスシーン、あれ、いるかな?としばらく考えてました。何も考えずただ、腐女子歓喜のサービスシーンみたいに片付ける捉え方は嫌だなと思っていました。ただ、上の文章を書いていて、おそらく相互理解を果の象徴だったのだろうなと思いました。

ガロは洞窟の中で、死にゆくマッドバーニッシュの女性を自分はレスキュー隊だから人命救助ができる!と助けようとしていました。しかし、マッドバーニッシュにはマッドバーニッシュの人命救助の方法がありました。そして、終盤、リオの命をもう一度吹き返すにはその手段しかないと、炎を口に含みそれを口移しにしました。自身とは異なるということを認め、命を再生する。あれが、相互理解を果たしたことの象徴だったのだなと思いました。


プロメアにはガロとリオの前日譚が追加されているようで、現在それも一緒に上映している映画館があるようですね。

多分この映画は、戦闘シーンしかり、アクションがかなりド派手なので、映画館で見るのが大正解だと思います。

PCの画面で見てしまいましたが、映画が上映しているうちに観に行きたいなと思いました。